だからナニ?
刑務所や拘置所には、ウンザリするほどの「見栄っ張り」な人がいます。特に新入の頃は、待ってましたとばかりに話しかけてくるので、本当に辟易しました。
自分は娑婆では偉い立場で何十人もの部下をアゴで使ってたんだぞーとか、隠し金がウン千万あるんだぞーとか、どこそこの通りを歩けばみんな挨拶してくるんだぞーとか、「娑婆に出たら面倒見てやろうか?」とか、もう出るわ出るわ、いかにも嘘っぽい自慢話。そういう話をする人に限って、何かトラブルがあったときに強く出られるとすぐにシュンとなっちゃったり、自慢話を突っ込まれるとシドロモドロになっちゃったり。私はそういうのを見ているのが好きでした。ちょっと性格悪いですかね・・・。
東京拘置所にいた頃、同じ部屋に自分をヤクザだと言う在日の人がいました。この人が非常にタチが悪く、デカいことばかり言うくせに、やることはセコくてどうしようもない。自分にお金が無いものだから、人の菓子を勝手に食べたり、届いたばかりの人の雑誌を「おう、貸せよ!」とか言って無理矢理持っていったり、まるでガキ大将。とてもじゃないけど「極道」には見えなかったです。本物の極道の人はセコいことなんて絶対にしないし、基本的にカタギ(ヤクザやチンピラではない人)に対して威張ったりせず、お金が無い人には日用品やお菓子を買ってあげたり分けてあげたりと、いろいろと面倒を見てました。本物じゃないから、くだらない嘘や見栄で自分を強く見せたいのでしょうが、それが裏目に出ている人ばかりでした。そのことに気付いてないところが、またおかしいんですけどね。
「○○組の誰それを知っている、飯を食いに行った」ということもよく言ってました。元サラリーマンの私に自慢したって、そんなこと知らねーっての。不良やヤンキーが「俺は○○先輩を知ってる」って言うのと同じです。私にしてみれば、刑務所の中で見栄張ってどうすんの?と思うことばかりでした。
女性関係で見栄を張る人も多かったです。「娑婆の女にマンション買ってやって、金もウン百万渡してあるから、俺が刑務所にいる間の生活は大丈夫だ」なんて言ってても、誰も面会に来ないし手紙もまったく来ない。何人かいたなー、こういう人。よくわかりません。
「能ある鷹は爪を隠す」ということわざは本当だなーと思いました。
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